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『特捜最前線』(とくそうさいぜんせん)は、テレビ朝日・東映の制作により、テレビ朝日系列で1977年4月6日から1987年3月26日まで放送されていた刑事ドラマである。
2012年に東映チャンネルで放送された『特捜最前線2012 爆破0.01秒前の女』と、2013年にテレビ朝日系列『日曜エンターテインメント』で放送された『特捜最前線2013〜7頭の警察犬』についても本項で扱う。
● 概要
東京総合ビル33階の一室に置かれた警視庁特命捜査課(通称「特命課」。架空の部署)に所属する刑事たちの捜査活動と人間ドラマをシビアに描く。
取り上げられる事件は「行方不明になった子供の捜索」から「特殊爆弾によるテロ」まで幅が広い。
● 放送時間
・ 第1話 - 第435話(1977年4月6日 - 1985年10月2日)毎週水曜日 22:00 - 22:54
・ 第436話 - 第509話(1985年10月10日 - 1987年3月26日)毎週木曜日 21:00 - 21:54
● 番組の歴史
◎ 1977年
・ 4月6日:「頭脳と行動力を駆使して多発する凶悪犯罪や難事件に挑戦する6人の刑事の活躍物語」というコンセプトでスタート。メンバーの設定も課長の神代、ヘリ捜査専門の桜井、落としの名人船村、地方出身のバイタリティ男高杉、諸突猛進の熱血漢吉野、新米津上と明確であった。当初は特命ヘリの存在を作品の見せ場とし、他の刑事ドラマでありがちなエピソードが連作され、作風も比較的マイルド路線であった。また、各刑事にスポットを当てた個人編の存在も神代と桜井に集中し、各々の個性に言及しているものは少なかった。
・ 6月29日:第13話「愛・弾丸・哀」放送。これ以降佐藤肇・野田幸男演出回を中心に作風がハード化(刑事間の衝突を描いたり、世の不条理を問うような内容にシフト)していく。また、各刑事に主役が回るようになる。
・ 9月:番組初の地方ロケ(石川県・金沢)が行われた(第24話・第25話)。
◎ 1978年
・ 3月:藤岡が降板。それに代わる特命ヘリポジションで紅林が加入(第52話)。
・ 4月:桜井に代わる警部ポジションとして橘が加入。タイトルロゴ、オープニングテーマ、アイキャッチ、ナレーターを一新、メンバーを全員エリートキャラにシフトさせハードアクション中心の路線に(第53話)。
・ 7月:北海道函館でロケを行った(第68話・第69話)。
・ 9月:3話連続作品「挑戦」を放送。
◎ 1979年
・ 1月 - 2月:北海道での二度目のロケを行った際(第97話・第98話)、二谷が撮影中スキーで転倒し重傷を負い番組を一時離脱。また55話以降、西田のスケジュールの都合で準レギュラー化していた高杉がほとんど姿を見せなくなり、実質レギュラーメンバーが橘、船村、紅林、吉野、津上の5人となる。
・ 3月:そのピンチを乗り越えるべく、蒲生警視(長門裕之)を特命課相談役として登場させる(第100話 - 第104話)。さらに補強策として、藤岡がスタッフの説得により条件付き(理由は後述)で復帰(第103話・第104話)。
・ 4月:西田が降板(第105話)。その穴埋め的なポジションとして、庶民派の滝と(第108話)高杉幹子婦警が加入(第109話)。
・ 5月:視聴者公募作品において二谷が番組に復帰(第110話)。
・ 9月:一時の危機を脱し安定したと思われた矢先、大滝が映画『影武者』の撮影のため一時降板(第127話・第128話)。
◎ 1980年
・ 1月:荒木が降板(第146話・第147話)。番組初の殉職という形を取る(その際のエピソードは後述)。
・ 2月:叶が加入(第148話)。
・ 7月:桜木が降板(第169話)。その翌週、大滝が復帰(第170話)。その後、番組は(オープニング登場順に)神代、船村、橘、紅林、叶、吉野、幹子、桜井の体制になり、このメンバーで5年間にわたり固定される。
◎ 1981年 - 1982年
・ 1981年3月:第200・201話「ローマ→パリ縦断捜査」で、番組200回記念作品として初の海外ロケを行った。
・ この時期に製作された第212話「地図を描く女」が有識者から高い評価を獲得。刑事たちや事件に関わる人々の心情を深く描いた、いわゆる「人情系」の路線へとシフトしていった。また、この時期には、蒲生警視のシリーズ物(窓際警視シリーズ)、視聴者投稿作品といった企画が登場するようになり、次回予告では五木田武信がリポーターとして顔を出すようになる。
・ 1982年8月:海外ロケ第2弾として、ハワイロケを行った5周年記念作品を放送(第275話・第276話)。
・ 1982年9月:第278話「逮捕・魔の24時間」で、二谷が初めて監督を担当。
・ 1982年11月:制作サイドと対立したメインライターの長坂秀佳が番組を降板。
◎ 1983年 - 1984年
・ 1983年6月:制作サイドと和解し、長坂が7か月ぶりに番組に復帰。「長坂秀佳シリーズ」として原則集中型の放送形式となる。
・ 1983年9月:このころからオープニングも一新して、20パーセント以上の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯。以下略)を連発するようになる。
・ 1983年12月:藤岡が映画『SFソードキル』の撮影のために一時番組を離れ渡米。その間、五代高之扮する早見巡査長が加入して穴を埋める(第342話 - 第348話)。
・ 1984年1月:第347話「暗闇へのテレフォンコール」で、番組史上最高視聴率となる27.4パーセントを記録するなど、9週連続20パーセント以上の視聴率を記録した。
・ 1984年2月:350回記念作品の第1弾として放送された第350話「殺人トリックの女」で、二谷英明の妻の白川由美が準レギュラーとして初登場(以後419話、第436話に登場)。続く第2弾での第351話「津上刑事の遺言」では、荒木も含めこれまでのレギュラーが勢ぞろいした。
・ 1984年3月:作家シリーズ第2弾、石松愛弘シリーズを4週連続で放送した。
・ 1984年3月:五木田武信が予告担当を降板。
・ 1984年4月:7周年記念作品の一環として、第359話・第360話「哀・弾丸・愛 7人の刑事たち」(第13話のリメイク版)が放送。この作品は、「特捜」の中でも名作との評価が高いと言われる。視聴率は、第359話、第360話ともに20.0パーセントの好視聴率を記録。
・ その後も、沖縄ロケ、東京の街シリーズ、秋の特別企画、女性の犯罪体験の手記シリーズといった企画を連発した。
◎ 1985年
・ 1月:大滝が舞台で番組を一時離れたため、代打で渡辺裕之演じる的場巡査長が4話限定(第397話 - 第400話)で加入(その後、第428話で再びゲスト出演)。
・ 3月:8周年記念としてベルギーロケを行った作品(第407話・第408話)を放送。
・ 6月:第418話「少年はなぜ母を殺したか」では、全編法廷内でドラマを展開。
・ 8月:塙五郎と、8年半(途中離脱時期もあるため実質は7年と数ヶ月)レギュラーを務めた大滝が降板(第430話)。
・ 10月2日:誠が殉職という形で降板(第435話)。
・ 10月10日:『ニュースステーション』スタートに伴い、木曜21時に枠移動。その初回は番組唯一の2時間スペシャルとして放送。この回から、5年9か月ぶりの新メンバーでマイホームパパの時田と、激情派の犬養が加入。オープニングが一新された。
・ 11月:メンバー歴代最年少の杉が加入、婦警が6年半ぶり3度目の交代(第441話)。6年半ぶりに特命課刑事が8名になった。
・ 12月:岡山・香川ロケを行った(第444話「退職刑事失踪の謎瀬戸内に架けた愛」・第446話「倉敷〜高松〜観音寺・瀬戸内に消えた時効」)。
・ 木曜21時に移動後、視聴率が黄金期の平均20パーセント台から平均12パーセント台に下降するようになる。
◎ 1986年 - 1987年
・ 1986年4月:9周年記念・犯人当て懸賞付きドラマ(第460話「挑戦・この七人の中に犯人は居る」)を放送。その後編(第461話「挑戦II・窓際警視に捧げる挽歌」)で、番組準レギュラーの蒲生警視が殉職。視聴率は振るわなかったものの、捜査四課の西岡刑事(蟹江敬三)がその後もセミレギュラーとして登場、ミステリアスな刑事役を演じた。また、この回から神代と桜井のオープニング映像が変更された。
・ この時期は、終着駅の女シリーズ(第457話 - 第459話)、石松愛弘シリーズ(第474話・第475話・第477話)、二谷英明監督作品第2弾(第490話「強殺犯逃亡・あぶない道連れ」)、若者向けの作品など趣向を凝らした企画が練られた。
・ 1986年10月からは、再びオープニングを一新した。
・ 1986年12月には、1987年3月をもっての番組終了が決定。
・ 1987年1月:500回記念作品(第500話・第501話)を放送。この作品では、船村ファミリーのほか、誠が殉職した吉野刑事と瓜二つのチンピラ役で出演。
・ 1987年3月:「長坂秀佳終幕三部作」を放送。警官大量汚職事件と橘・桜井・神代、3人それぞれの人生模様を絡めた。3部作の最終回、警察内部の黒い霧の圧力によって、ついに特命課廃止案が浮上。しかし神代の命懸けの捜査を経て、特命捜査課は「特命捜査部」に格上げとなる。神代は特命部の部長に、橘、桜井はそれぞれ特命第一課と特命第二課の課長となり、「特捜最前線」は10年の歴史の幕を閉じた。
● 登場人物
※新番組予告紹介順および初登場順
◎ 特命捜査課・刑事
◇ 神代 恭介
: 演 - 二谷英明(第93話 - 第96話、第99話 - 第109話は未出演。)
: 刑事歴25年の警視正。城南警察署捜査二課、警視庁捜査第一課、丸の内警察署長、警視庁捜査第二課長、警察庁捜査課長、警察大学校教官などを歴任したのち、新設された特命捜査課の課長に。自らの命令は絶対で、背いた刑事には容赦なく雷を落とす。その妥協を見せない捜査姿勢から「剃刀(かみそり)のカミシロ」の異名を持つが、部下からは「四角ダルマ」と陰口を叩かれることもある。正義感が強く相手が誰であろうと犯罪を許さない性格で上からの圧力(政治家など)にも動じない気迫を持つ。自ら捜査の現場に出ることも多く、メンバーからの信頼も厚いが、その部下が不祥事を起こした際には査問会側に立つなど一定の距離を置く一面もある(立った上で他の刑事に問題解決のヒントを与える役回りである)。番組開始当初は娘がいたが、その娘夏子は暴力団組長という裏の顔を持つ男に射殺されるという悲劇に直面、妻も神代のかつての部下と蒸発していた。家族について言及することはないものの、第87話の女流画家(演:小山明子)や第424話での会社社長(演:ハナ肇)との会話の中で、自身の職務一辺倒の姿勢が夫人の蒸発や娘の死へとつながったと後悔の念を吐露している。その事件に関与した暴力団を単独で襲撃したり、メンバーの心配をよそに無謀な捜査を行ったりと、気性の激しい一面も持ち合わせている。煙草は赤ラーク(第51話)。基本的に劇中での一人称は「私」だが、長坂秀佳・塙五郎などの脚本回では「俺」、石松愛弘脚本回では「僕」なども使っている。最終回、警視庁に新設された特命捜査部の部長に就任する。なお二谷が休養中に番組は三年目に突入。オープニングが大幅にリニューアルされたが、神代の紹介シーンのみ二年目のオープニング映像を流用、加工したものとなっている。
: 一見、冷徹で職務優先の指揮官を装っているが、第78話では捜査上の過程で接近したために夫を失ったレストラン経営者(演:野際陽子)親子のために捜査の打ち切りを決断したり、津上、吉野の両刑事の殉職には相当心を痛めていていたようで、反発を買いながらも潜入捜査を続行させた津上の最期の間際には「お前の命が何よりも大事だ」と叫び、片や吉野に関しては父親に「私にとっても手の掛かる(可愛い)息子でした」と評している。
: また、最終盤のオープニングから江崎を除く、特命課員全員がこれまでの「刑事」表記から「橘警部」など、個々の階級で字幕テロップが入ったものに変更されたのに対し、神代のみ番組開始から、最終回まで「神代警視正」の表記だったが、番組スタート前の番組宣伝では、唯一「神代刑事」と表記されている。
◇ 桜井 哲夫
: 演 - 藤岡弘(第1話 - 第52話・第103話 - 第509話、うち未出演回多数。)
: 警部→警部補
: 昭和20年1月18日生まれ。丸の内署、城西署、外事課、警視庁スカイポリスなどを経て丸の内署時代の署長だった神代が桜井の才能を見い出し特命課に呼んだとされている。初期の位置づけは特命ヘリを用いた空中捜査担当の警部だった。その当時は単独捜査が多く神代からしばしば激昂されることもあったが、次第に特命課No.2としてのポジションを確立していく。不言実行型で考えていることを今一周囲に理解されないこともあるが、基本的にはやはり他のメンバーと同じく人情派である。父・正規は弁護士で法曹界の大御所。長兄・修一郎は判事、次兄・道夫も弁護士というエリート一家に生まれる。父親は非常に厳格な人物で2人の兄が大変優秀であったため、末っ子の哲夫に対してはとりわけ厳しく教育する。そのため彼は幼少時から劣等感の塊であり、それが父親への反発心につながって、警察官を志すことになった。捜査の過程で父が介入してきた際には、反抗期の少年のような不貞腐れた態度をとるなど、普段の姿からは想像出来ない一面を垣間見せたこともある。第52話で国外逃亡した外国人容疑者の続行捜査という形でワシントン日本大使館に派遣され、それから程なくして異動したニューヨーク市警(この時は国際警察に籍を置いていた)で親友刑事の家族が射殺される事件に遭遇。その復讐のために彼は手段を選ばない悪徳刑事に変貌する。結果として国外追放処分となり事件と深い繋がりのあった容疑者を追って帰国。同事件を捜査中の特命課と遭遇し、確執の末、警部補に降格という形で復帰。それ以降は特命課陣も手を焼くほどの犯人を上げるためには手段を択ばない荒くれ刑事となる。船村ほどではないものの、事件の関係者から罵声や憎言を叩かれることもままあるが、自らの行動・発言に一切言い訳をしない態度は船村から一目置かれている(第114話「サラ金ジャック・射殺犯桜井刑事」)。
: 特命課復帰当初は人情派の橘・理論派の紅林とは捜査方針を巡り衝突することもしばしばであったが、後に打ち解け、荒くれぶりも形を潜めシリーズ中盤以降は橘と共に神代を支える。荒くれ者のようでも強い正義感は健在で、猟銃を持ったサラ金強盗に辱めを受けた女性が復讐しようとして逆に撃たれそうになった際には激高して射殺している。被害者である女性を庇い査問会で全ての罪を被ろうとしていた桜井だが(女性に対して威嚇するように真実の証言を遮っている)、皮肉にもその時の桜井を救ったのは橘による真実の捜査証拠であった。他にも橘が赴任する前に神代の娘・夏子が殺害された際に暴走し独断行動を行っていた神代に代わり特命課を仕切っており、指揮能力も確かで優秀な刑事であることは間違いない。当初は空中捜査担当というポジションだが、復帰後のオープニングでは漁船、ボートなど、船上や岸壁沿いのシーンが多い。
: 服装はノーネクタイの皮ジャン(襟付きのシングルライダース)か派手めな柄の背広が多い。煙草は時期によってハイライト、モアやキャビンなどを吸っていたが、番組終了直前には禁煙パイポを愛用している。これはスポンサーに禁煙パイポメーカーがいたためである。最終回、特命捜査部管轄の特命第二課の課長に就任した。
◇ 船村 一平
: 演 - 大滝秀治(第1話 - 第128話・第170話 - 第430話、うち未出演回多数。第499話・第500話)
: 警部補。1925年(大正14年)6月6日生まれ。新潟県で出生、東京都出身。刑事生活40年。神代とも数十年の付き合いがあり、彼をはじめ、特命課のメンバーからは「おやじさん」と呼ばれている。気性が荒い者揃いの特命課スタッフの中でも最もその傾向が強く、「犯罪を立証することも大切だが、残された者のためには時として目を瞑ろう」という思想の持ち主である。そのために事件性と関係していても「どうして、あの娘をそっとしておいて上げないんだ」などと他の刑事にくってかかることも多数。一方で相手の境遇を知りつつもそれに付け込んだ捜査を行うことから、娘の香子は勿論事件の関係者や犯人の家族からは憎しみや悲しみの捌け口にされることも少なくなかった。ただ、同僚の刑事たちからは絶大なる信頼を得ており、紅林からは「おやじさんが辞めるなら自分も辞めます」、叶からは「僕はおやじさんみたい(な刑事)に成りたいんです」、滝からは「おやじさんのファンなんです」とも称されている。
: 家族は妻と子供が二人いたが長男・秀平は6歳で他界、妻の香代も癌に侵され、その看病のため、1979年(昭和54年)の9月に刑事を辞職し、妻の郷里・飛騨高山に旅立つ。妻の他界後は東京に戻り、娘の香子と共に妻の名を冠したビーフシチュー店を経営していたが、その従業員が関わった事件で神代と再会し、彼の説得で1980年(昭和55年)の7月に特命課属刑事に復職することとなる。刑事に戻ってからは娘の駆け落ち、その夫の死と不幸な経験を繰り返したのち、自身の心臓病が悪化。刑事の職を続けるかどうかで苦悩した末、ドクターストップがかかり1985年(昭和60年)の8月に刑事を再び退職する。
: 再退職後は倉庫の作業員として働いていたが、自分を事件の証人として訪ねてきた橘と桜井を拒絶する一方で、全く面識のない西岡刑事の尋問に対してはあっさり自白するという謎めいた行為を見せている。
: 神代をはじめ、特命捜査課の刑事たちは部下や後輩を呼ぶときは基本的に呼び捨てであったが、船村だけは基本的には「○○君」と君付けで相手を呼んでいた。階級が上である橘に対しても船村の方が年齢が上であるために「橘君」と呼んでいる。なお、船村をメインとしたエピソードの脚本は塙五郎が特に多く手がけており、船村が退職した第430話をもって、塙も番組を降板している。
◇ 高杉 陽三
: 演 - 西田敏行(第1話 - 第105話、うち未出演回多数。第351話)
: 東北出身の巡査部長。妻と娘との3人暮らし。兄弟については「12人兄弟の貧乏農家の倅(第7話)」、「末っ子(第36話)」、「8人兄弟の三男(第105話)」と一定していない。当初は神代の捜査方針によく陰口をたたくバイタリティー志向の刑事だったが、キャラクターも次第に涙もろい人情刑事へとシフトしていった。所轄の係長への栄転という形で特命課を去るが、その後、津上がやり残した事件の捜査に協力。そのときは保護観察官に転身していた。悪気はないのだがいつも一言多い性格で、橘を傷つけたり、真面目な津上などから反感を買ったこともある。特命課では数少ない妻子ある刑事だが、妻との間で仕事と家庭を巡って対立したりするなど、家庭持ちならではの悩みもある。基本的にはブラウンのスーツを着用しているが、他にベレー帽やチェックのコートの他、スーツにショートウエスタンブーツを合わせたりと、お洒落な一面もある。主な活躍では電車内のいざこざで、暴行され死亡した父親の敵討ちをと、その息子に誓い犯人を検挙しているが、腕っぷしの強い犯人を柔道技で圧倒しており格闘能力も確かである。演ずる西田のスケジュールの都合上、第55話以降は欠場することが多く、後姿のシーンなどはスタッフが代役を務めたこともある。最終的には他の出演者が西田のスケジュールに合わせて収録することに対して、申し訳ないと感じた西田自身が降板を申し出た形となった。
◇ 吉野 竜次
: 演 - 誠直也(第1話 - 第435話、うち未出演回多数。)
: 巡査長→巡査部長
: 佐賀県出身で、浅草の所轄から特命課に配属された叩き上げの巡査長。性格は猪突猛進の直情径行型。課内では桜井と並ぶ武闘派的存在で、古巣の浅草では吉野の名を知らない者はモグリと言われるほど。直情的ゆえに正義感も強いが犯罪者に対して容赦ない一面もある。それゆえに湿っぽい捜査活動への鬱憤から帰国直後の桜井の非情な捜査方針にメンバーで唯一共感したりしていたが、特命課員としての年数を重ねるうちに次第に人情味あふれる刑事へと変化していった。叶と同じく、父親が愛人に産ませた子供で、その出生の境遇から父親には複雑な心情を抱いているが、その父親の設定には矛盾があり、第18話では元水道局の職員ですでに他界していることを語る一方で、第96話、第220話では吉野が父を気にかける様子が描かれている(後者のラストは吉野の帰省)。さらに第334話では断絶状態となっている。また学歴面でも、高校に所属した部活動がボクシング部(64話)、水泳部(第120話)、ラグビー部(第185話)と話によって違い、第382話ではアルバイトで大学の学費を賄った旨を語っているのに対し、第435話では無学歴発言もしている。年齢に関しても30歳(第220話)、28歳(第316話、第325話)、30歳(第434話)と一定していない。煙草は第34話ではチェリーを吸っていたが、第133話ではモアを吸っている描写がある。出世欲がなく、捜査にかこつけて昇進試験をすっぽかしたりすることもあったが、第405話で巡査部長に昇進。第435話の拳銃事件で殉職後は二階級特進となって警部に。なお、演ずる誠は吉野の殉職後に第499話と第500話に「吉野にそっくりな暴力団員」の松田鉄治役でゲスト出演している。
◇ 津上 明
: 演 - 荒木しげる(第1話 - 第147話、第351話)
: 警察大学を卒業したばかりの巡査長。当初はエリート意識を鼻にかけた新米刑事として描かれていたが、次第に情熱的な若手刑事にシフトしていった。事件の大小に関係なく捜査に情熱を燃やし、特に子供には優しく小さな約束からも事件解決に積極的に取り組んだ。感情的になることも多く、神代にも噛みつくことも多々あった。両親は既に他界しており、幼いころから妹のトモ子(演:牧美智子→立枝歩)と二人で懸命に生きてきた。大学時代はラグビー部に所属。特技はドラムを叩くことで、第90話、第146話などそれが生かされるエピソードもあった。煙草はマイルドセブン(第57話)。同僚の警官が女性の「下着泥棒」事件で冤罪がかけられた際には、同僚を罵倒するマスコミに対して「あんたたちは、一度でも女を抱きたいと思ったことはないのか?僕は道行く女性を見て押し倒したい衝動に駆られる時がある」と弁護し男性の本能をリアルに語ったこともある。神代の娘・夏子に対して密かに想いを寄せていたが、あえなく失恋。夏子が殺害されたときには神代を激しく糾弾した。第146話、第147話における細菌爆弾事件で、細菌入り風船の脅威から市民を守るため、風船を積んだ車で廃工場の鉄柱に突っ込み爆死。享年28。殉職から4年後、少年に解決を約束していた事件があることが判明し、特命課やそのOB(高杉と滝)がその解決に尽力した。妹がおり、前述の話にも登場しており、事件に巻き込まれたこともある。
◇ 紅林 甚一
: 演 - 横光克彦(第52話 - 第509話)
: 警部補。群馬県出身。前所属は警視庁外事課。特命課との合同捜査を機に外事課時代の先輩でもあった桜井の転勤に伴い特命課に転属。旧満州からの引揚者である実母・常子とは幼少時に生き別れ(昭和57年に交通事故で死亡)、実父とは大学生の時に死別している。また第507話では「父親の味を知らない」と語っている。エリート揃いの特命課にあって最も特命課員らしい刑事で、性格は、演ずる横光曰く「個性がないことが個性」、滝からは「クソ真面目」、桜井には「真面目って辞書で引くと『特命課の紅林』と載ってる」などと揶揄されたほど。メンバーの中で唯一の左利きであるため、第129話では彼のイメージとはほど遠い、軽妙な男に化けて潜入させられたこともある。桜井と同じくヘリの操縦ができ、空からの捜査場面も多く見られた。中盤で義理の妹の存在が明らかになる。第173話で血液型はAB型であるとカミングアウトしている。他の刑事と比較すると影は薄いが、主役となったエピソードは全刑事の中でも最多である。最終回、特命第一課に転属する。桜井の後任的ポストだったこともあり、初期と、最終盤を除き、オープニングにはヘリコプターに乗降するシーンが使われている。
: 正義感が強過ぎる吉野とは対照的で、警察としての権限を冷静に語ったこともある。「市民として犯罪を通報する義務がある」と言う吉野に対し、「それは我々が警察手帳を持っているから周りの脅迫にも屈しないだけだ」と返している。また、東京で孤独に生きる人間たちを視ても「やはり私はこの街が好きだ」と語っている。
: 横光は第40話「初指令・北北東へ急行せよ」に、町工場を倒産させて妻と子供2人と一家心中を図ろうとする父親役でゲスト出演をしてから、本作品のレギュラーとなった。
◇ 橘 剛
: 演 - 本郷功次郎(第53話 - 第509話、うち未出演回多数。)
: 長崎県警警部→長崎県警巡査→警視庁警部
: 昭和13年10月21日生まれ、長崎県出身。渋谷区在住。高校時代は野球部に在籍していた。県警本部のエリートだったころ無二の親友を逮捕したことから五島の派出所に自ら進んで転属(その時点での階級は巡査。ザ・テレビジョンドラマⅡやポリドール版サウンドトラックの解説によると以前は長崎県警警部)。やがて野球選手であるその親友の息子を応援に上京した際に、別事件で親友を追っていた特命課と遭遇。苦悩の末、再び親友を逮捕することになる。その自責の念から警官を退職しようとしていた矢先に、神代の計らいで本庁警察官の採用と警部の階級を再び得て特命課に着任。射撃の腕前は警視庁内でもトップクラスであり、その百発百中ぶりは第277話や第339話などで見ることができる。ときには長距離からの狙撃を任されることもある。その上、柔道四段で格闘能力も高い。また、変装しての潜入捜査も得意で、第74話、第137話、第177話、第234話、第277話などで実力を発揮した。こうした有能さを持つことから、次第に神代の右腕的存在となっていき、やがては特命課No.2のポジションに収まることとなる。神代の不在時などには課長代理として捜査の指揮を執ることも多い。普段は自らを「牛」と例えるほど温厚だが、感情的になると「待てぇ」「行けよこの野郎」「おい、おっさん」「ここは日本だぞ。日本語使え馬鹿」「外国人だ?ほざくな」「証拠なんかあるかい」などと怒声を浴びせることが多い。家族は妻・美詠子と息子二人だが、五島への転勤の際に起きたいざこざがきっかけで長年別居状態が続き、終盤にて離婚を決意。東京の予備校に通うために上京した長男・信一とは紆余曲折の末同居、次男・健二も終盤で上京した際に事件に巻き込まれている。信一との同居までは1人暮らしであったが部屋は小綺麗で清潔な一面も持っている(登場当初はボサボサの髪に無精髭、風呂にもまともに入っていない不潔な身なりだったが、すぐに改めている)。初期は高杉同様、スーツにショートウエスタンブーツを合わせるというファッションが多かった。ピークドラペル(剣襟)のシングルスーツを着ることが多く、拳銃を撃つ際のグローブ、煙草を吸う際のシガレットホルダー、聞き込みの際には警察手帳ではなく名刺を差し出すなど、細部の小道具にまでこだわりの詰まった刑事である。最終回、特命捜査部管轄の特命第一課の課長に就任した。
◇ 滝 二郎
: 演 - 桜木健一(第108話 - 第169話、うち未出演回多数。第351話)
: 巡査。所轄署の交番勤務だったころ、巡回中にビルから人の転落する現場を目撃し、捜査にあたった特命課に協力する。出世と金のために特命課に憧れを抱き、自ら配転を希望したため、マスコミ対策も兼ねて特別配属され、事件解決後に正式に配属された。捜査においては失敗が多いが、饒舌で韋駄天である。演じた桜木は当時31歳だったが、年齢設定は24歳とかなり差があり、エリートが多い特命課の中では階級が低いゆえ、同じ若手の吉野、津上、叶よりも格下的な扱いを受けていた。演じた桜木のスケジュールの関係から欠場も多く、主演エピソードも少ないが、捜査において他の刑事よりも早く手がかりを見つけるなど地味ながらも重大な役回りを演じることも少なくなかった。特命課で働くうちに人を信じるよりも疑うことが優先される刑事の職務に疑問を抱き、それが原因で不本意ながら刑事を退職する羽目に。その際に知り合った女性(赤座美代子)とラーメン屋を共同経営する。幹子とはデートの約束をするほどの仲だったようだが、進展することはなかった。その後、津上がやり残した事件の捜査に加わり、高杉同様、特命課を応援した。初登場の第108話はゲスト扱いのためオープニングではなくエンディングにクレジットされ、翌週からオープニングに加わっている。
◇ 叶 旬一
: 演 - 夏夕介(第148話 - 第509話)
: 警部補。昭和30年2月2日生まれ(戸籍上の誕生日は2月11日)。初登場時は新宿中央署捜査一係所属。大物政治家が愛人に産ませた子供であったが、母は出産直後に彼を捨てて自殺したため、新宿区中央町の孤児院ひまわり学園で育つ(実際には、実母は実父の政治家としての将来を考え自殺。父親自身も孤児となった叶の存在を気にかけて心を痛めており、最期は彼を護るために凶弾に倒れた)。苦学の末、若くして警部補になるが自信過剰な性格と法律スレスレのスタンドプレーを繰り返すことから所轄をたらい回しにされる。そんな中で自分を狙った狙撃事件の捜査中に、同事件を追っていた特命課のメンバーと遭遇し、衝突の末に神代の強引な転属命令で配属される。当初は施設育ちのコンプレックスのせいか、誰にも心を開かない一匹狼だったが、次第にメンバーとも心を通わせるようになり、最終的には庶民に最も近く、親しみを持てる刑事となっていった。一見エリートに見られがちだが、警官に採用されるまでは職を転々としていた時期もあり、施設育ちで幼いころから苦労を重ねてきたために、物や食べ物を粗末にする容疑者に対して激怒したこともある。また、自身が孤児の辛さを身をもって体験しているだけに、犯罪者や若者に親の有り難みを説くことも多かった。なお、吉野との関係では、叶の方が吉野より階級は上であるが、特命課では吉野の方が先輩であるため、彼には目上の態度で接している(逆に吉野は叶を呼び捨てにするなど、先輩としての態度を取る)。吉野とは同じ若手とあって仲が良く一緒に飲みに行くことも多い。刑事のキャリアもそれなりにあるが、後期のエピソードでは船村から新米呼ばわりされたことも。終盤では恋人の存在も発覚、また犬養や杉という後輩も増え中堅として特命課を支える存在となっていった。煙草はマイルドセブン(第152話)。初登場の第148話はゲスト扱いのためオープニングではなくエンディングにクレジットされ、翌週からオープニングに加わっている。服装も最初は黒系のスーツに茶色の皮ベスト、ノーネクタイだったが、程なく他の特命課刑事同様にスーツにネクタイをするようになる。
: 夏は第3話「禁じられた愛の詩」第31話「浅草・愛と逃亡の街」第82話「望郷殺人カルテット」第133話「六法全書を抱えた狼」のゲスト出演を先にしており、第133話は悪徳非道な犯人にも扮し、これらを経て本作品のレギュラーとなった。最終回、特命第二課に転属。
◇ 時田 伝吉
: 演 - 渡辺篤史(第436話 - 第509話)
: 警部補。眼鏡がトレードマーク。家族は妻と10歳の娘、6歳の息子と4人。誘拐事件の合同捜査の過程で大田北署から人員補充のため特命課に転属した叩き上げ。大田北署では「秋の花火」と揶揄され浮いた存在だった。江戸っ子気質であり、配属当初はエリート揃いの特命課に妙な偏見を持っていたため自ら進んで馴染もうとはしなかった。その後特命課の面々が仲間意識の強い好漢揃いと気付き、逆に時田にとって特命課は居心地の良い職場となる。他の特命課刑事と異なり、家族の写真を肌身離さず携帯し、徹夜勤務のときは自宅に電話をする様子や、捜査後の酒飲みの誘いも「(妻子が)待っているから帰る」と家庭を大切にする描写が多くなされた。なお、一家は仏教徒のため、クリスマスを祝うことはやらない方針。比較的ドライな言動が多いが、社会的弱者を食い物にする犯罪に対しては思わぬ熱さを見せることも多々あった。脚本上の都合から船村に似通ったキャラクターになることが度々あった。最終回、特命第一課に転属。
◇ 犬養 清志郎
: 演 - 三ツ木清隆(第436話 - 第509話)
: 巡査部長。時田と同じく誘拐事件の合同捜査の過程で警視庁捜査一課から人員補充のため特命課に配属した。殉職した吉野の後任的存在であるが設定年齢26歳とかなり若い。自己中心的で子供じみた部分があり、饒舌で一度決めたことは意地でも曲げない性格で、暴走して状況を悪化させたり、自分の意見が通らなかった時には相手構わずヒステリックに噛み付くことも多い。捜査方針で対立し、桜井を殴ったり、叶を突き飛ばしたこともあるが、おっちょこちょいな一面もある。タイトなフレアスラックスが主流の特命課には珍しく、ツータックのスラックスを愛用していたこともあった。イライラするとしきりにタバコを吸う癖がある。最終回、特命第二課に転属。
: 三ツ木は前後篇である第160話「復讐I・悪魔がくれたバリコン爆弾」第161話「復讐II・五億円が舞い散るとき」に犯人役でゲスト出演している。
◇ 杉 敏夫
: 演 - 阿部祐二(第441話 - 第509話)
: 巡査。原宿に住んでいる。西新宿署の刑事課にいた時、ヤクザの拳銃乱射事件の捜査中に特命課と出会い協力捜査。事件解決後に転属された巡査。いかにも現代の若者といった性格であるが、特命課員の中では長身以外大した特徴もなく影が薄かった。だが第481話、第488話など終盤では彼が中心となって解決した事件もあり成長も少なからず見られた。的外れかつ不謹慎な発言で、周囲から顰蹙を買うこともある。レギュラー刑事陣で唯一劇中ナレーションをしていない。最終回、特命第二課に転属。
◎ 特命捜査課・婦警
※高杉幹子は3代目、江崎愛子は4代目婦警。初代と2代目は準レギュラー一覧に表記。
◇ 高杉 幹子
: 演 - 関谷ますみ(第109話 - 第441話、うち未出演回多数。第446話〈第446話はゲスト扱い〉)
: 高杉刑事のいとこで巡査。通称「カンコ」。登場当初は「みきちゃん」、「高杉」などと呼ばれていた。第137話で滝に初めて「カンコちゃん」と呼ばれ、以後そのあだ名が定着する。ただし、神代は「高杉君」と呼ぶことが多く、橘は「高杉」と呼び捨てにする。普段は無線連絡やデスク業務が中心であるが、外出捜査に加わることも多く、第284話では婦警として唯一拳銃を携行しているシーンが描かれている。女性ならではの潜入捜査を任されることもしばしばあり、そのため犯人に襲われることもあった。特命課員とのラブロマンスは特に描かれなかったが、滝や吉野とデートの約束をしたことがある。しかし、結果として滝は辞職、吉野は殉職という結末に。その後、農協に勤めている青年からの3年越しのプロポーズを受けたことと、病弱の母の面倒をみることを理由に退職。
◇ 江崎 愛子
: 演 - 愛田夏希(第442話 - 第509話)
: 高杉幹子の退職後に配属された婦警。あだ名は「アイちゃん」。オープニングでは杉と一緒に登場していた。外出捜査に参加する機会が多かった。最終回、特命捜査部・第一課、第二課が新設されるもどれが転属先かは不明。
◎ その他
● スタッフ
・ 企画:高橋正樹(全話、ただし第358話まではプロデューサー)
・ プロデューサー
・ 東映:斉藤頼照(第1話 - 第328話)、深沢道尚(第1話 - 第435話)、武居勝彦(第336話 - 第435話)、阿部征司(第436話 -)、東一盛(第436話 -)
・ テレビ朝日:五十嵐文郎(第359話 - 第436話)、浅香真哉(第436話 -)
・ 脚本:長坂秀佳(110回)、塙五郎(57回)、藤井邦夫(49回)、佐藤五月(46回)、阿井文瓶(28回)、宮下隼一(27回)、押川国秋(25回)、大野武雄(23回)、石松愛弘(18回)、竹山洋(15回) 他
・ 音楽:木下忠司
・ 撮影:西山誠、林七郎、藤本茂、相原義晴、工藤矩雄、小林武治、加藤弘章、斉藤健、内田正司
・ 照明:吉岡伝吉、石垣敏雄、高橋弘、中川勇雄、斉藤久、高橋道雄、竹田勝三、丸林洋一、石垣紘一
・ 録音:織本道雄、長井幹夫、小松忠之、橋本泰夫、広上益弘、上出栄二郎、近藤克己、新川昌史、佐藤幸哉、須田武雄、武進、川田保、映広音響
・ 美術:井上明、宮国登、河村寅次郎、森田ふみよし、野本幸男、山下宏、入野達弥、安部衛、木村光之、中村州志、内田欣哉、藤田博
・ 助監督:三村道治、小笠原猛、服部和史、稲垣信明、加島忠義、中津川勲、坂本太郎、長谷川計二、南晃行、木戸田康秀、山下龍次郎、荒井俊昭、白山一城、長石多可男、蓑輪雅夫、山口純生、伊藤一男、藤田保行、北村義樹、松井昇、吉野晴亮、秦衛、白井政一、息邦夫、笠倉隆、宮坂清彦、竹安正嗣、 二宮健二、久保田延廣
・ 計測:斉藤健、黒須健雄、内田正司、小泉貴一、松井由守、大村日出男、小林啓二, 三木修二、岡部正治、根岸達剛
・ 記録:伊藤明子、石川和枝、栗原節子、大橋仁子、高橋扶佐緒、君塚みね子、舟津一、堀良子、照井鈴子、渋谷康子、宮本衣子、高津省子、勝原繁子、山内薫、宮瀬淳子、福島勇子、津田のり子、木村雪絵、井上カズエ、高橋久美子、伊藤溶子、滝沢恵美子、安倍伸子、古屋彰子、丹波明子、高坂穂美、新藤郷子、富田幸子、菅正子、小林みどり
・ 編集:成島一城、松谷正雄、山口一喜、伊吹勝雄
・ 装置:紀和美建→東映美術センター
・ 装飾:装美社、チヨダ靴店
・ 美粧:サン・メイク
・ 衣裳:鷹志衣裳→東京衣裳
・ 衣裳協力:ジェントローレル紳士服、水甚、紳士服トランペッター、ハナムラ
・ 音楽制作:あんだんて
・ 選曲:東映企画プロモーション→石川孝
・ ギター演奏:ルナ憲一
・ 効果:大泉音映
・ 現像:東映化学
・ 技斗:三島一夫→高瀬将敏→高瀬将嗣
・ プロデューサー補:五十嵐文郎
・ 進行:武居勝彦、長橋勇、桐山勝、沼尾和典、穂鷹一興、小原武羅夫、橋本鉄雄、藤田佳紀、大場正弘、土川勉、小迫進、橋本寛、隈部文康、高山篤、加藤茂、神野智、高田正男、高沢吉紀、小沢康彦、奈良場稔、野口賢一、宮本恵司、林三津良、富田政雄、赤坂幸隆、平林俊夫、藤沢克則、塚本幸雄、佐々木亮
・ 制作デスク:野田邦夫、野田幸男、須田啓一
・ 制作担当:野田邦夫→藤田佳紀
・ ナレーター:森山周一郎(第1話 - 第52話)→中江真司(第53話 -)、五木田武信(予告のみ。第204話 - 第357話)
・ 協賛:日本農林ヘリコプター、朝日航洋(第364・365話)
・ カーアクション:マエダオートクラブ(第139話)
・ 監督:天野利彦(132本)、辻理(60本)、村山新治(58本)、野田幸男(57本)、宮越澄(52本)、佐藤肇(31本)、藤井邦夫(23本)、松尾昭典(20本)、田中秀夫(16本)、北本弘(12本) 他
・ 制作協力:静岡けんみんテレビ (第315話・第343話)、名古屋テレビ(第385話)、三重中部讀賣広告社(第385話)
・ 制作:テレビ朝日、東映
● 主題歌・挿入歌
◇ 主題歌
:
◇ 「私だけの十字架」
:: 作詞:尾中美千絵 / 作曲:木下忠司 / 編曲:青木望 / 歌:チリアーノ(よくクロード・チアリと間違えられる場合があるが、まったくの別人。)
:: 早坂絃子が1970年に発売したシングル「電話」のB面曲「あの人は」。この曲の歌詞を一部変えたもの。
:: 番組のEDにかかる。
:
◇ 挿入歌
:
◇ 「雪虫」
:: 作詞:池田充男 / 作曲:弦哲也 / 編曲:竜崎孝路 / 歌:誠直也
:: 第203話「幼児誘拐・菜の花の匂う女」などで使われた。増位山太志郎のカバー。
:
◇ 「悪女の子守唄」
:: 作詞:なかにし礼 / 作曲:宇崎竜童 / 歌:朝倉陽子 / 音楽コーディネーター:田村進一朗
:: 第354話 - 第357話「石松愛弘悪女シリーズ」で使われた。
:
◇ 「砂時計」
:: 歌:朝倉陽子
:: 第393話 - 第396話「女性の犯罪体験の手記シリーズ」で使われた。
:
◇ 「右手に枯れたバラ」
:: 作詞:高橋研 / 作曲:岡本朗 / 編曲:チト河内 / 歌:藤岡弘
:: 第406話「スキャンダル・スクープ」などで使われた。
● 設定
特命捜査課は、警視庁本部や所轄が手がけた解決済事件の再調査や通常捜査では手に負えない難事件の解決を目的として、警視庁が創設した独立セクションである。その捜査は多岐に及び、いかなる事件にも介入できる権限を持つ。「他では出来ないことをやる」という課長の神代警視正の信念が捜査活動に大きく反映されたものとなっている。
特命捜査課は霞ヶ関の警視庁本部庁舎内ではなく、民間の総合ビルに入居。屋上にはヘリポート、地下には捜査車両が待機する駐車場がある。また刑事部屋の隣には取調室があり、そこにある洗面台の鏡がマジックミラーとして、刑事部屋から取り調べの様子が見えるようになっている。
番組開始当初の刑事部屋は近未来的な意匠が施されており、出入口付近に数本の柱が設けられ、課長のデスクの後ろにはレーダー型の背景が置かれた(第3話よりレーダーに東京周辺の地図が写るようになる)。第6話には柱が撤去、課長のデスクの背景も大きな東京周辺の地図に変更され、一般的なイメージの刑事部屋に変更されている。大型無線装置(電話や取調室の音を部屋内に流す拡声機能つき)、固定電話、リール型のテープレコーダーと一通りの設備が整っている。部屋内には特命ヘリをはじめ各種ヘリコプターのスチールが貼られている。
● 特命車・特命ヘリ
◇ 特命車
: 前番組である『特別機動捜査隊』に引続き、日産自動車が番組提供および車両提供していた。
: 劇中の覆面パトカーとして登場していた、セドリック、グロリア、スカイラインの日産車各車種は、4年に一度のサイクルでフルモデルチェンジされる度に新型に代替されており、番組のオープニング映像もその都度変更されていた。
: 番組のオープニング映像で覆面パトカーが疾走する形式は、前番組の『特別機動捜査隊』の流れを引き継ぎ、セドリック、スカイライン、グロリアの順に疾走する形式であった。1981年にフルモデルチェンジしたR30スカイラインは、劇中でもすぐに登場していたが、オープニングでは先代C210のままとなっていた。1983年の3代目オープニングからは、Y30セドリック・R30スカイライン・Y30セドリックの順に疾走する形式に変更され、1986年の4代目オープニングからは、前年のフルモデルチェンジにより代替導入されたR31スカイラインが先頭となり、後続にセドリック2台の順に疾走する3台体制が続いていたが、後の5代目オープニングからは、追加導入されたY30セドリック4ドアHTが先頭となり、後続にR31スカイライン・Y30セドリック2台の順に疾走する4台体制に改められている。
: 主演の二谷英明は、劇中の覆面パトカーとして登場していたセドリックの専属CMキャラクターを、1972年(3代目にあたる230後期型。同年8月の4ドアハードトップ追加発売時)から1987年(6代目にあたるY30後期型)まで、4代に渡って約15年間務めていた。その他、フェアレディZ(S130型)なども一時的に登場していた。
◇ 特命ヘリ
: スタート時において番組の特色として用意されたのが、専用ヘリコプターの存在である。ヘリの使用自体は他の刑事ドラマでもあるが、ここまでメインに扱うケースとしては本作品が唯一無二である。最初期ではほぼ毎回のように登場し、クライマックスでの追跡シーンや事件現場への移動手段などに使われた。だがヘリを必要としない捜査が増えていった点や予算の都合などもあり、次第に出番も減り、最終的には完全に姿を消した。操縦は回によって刑事自ら(主に桜井、紅林。2年目には吉野がヘリを操縦している回もあった。)か、専属のパイロットが担当。当初は特命ビルの屋上から発進できるよう待機していたが、次第にヘリポート待機に変更。ベースは日本農林ヘリコプターのベル47型(47G3B-KH-4)で、2年目にはドア無し仕様のヘリが、終盤ではJA9343型やヒューズ 369(JA9380)型の特命ヘリも登場した。当時のテレビドラマの多くは朝日航洋所有のヘリコプターを使用していたのに対し、東映では2000年ごろまでベル47型ヘリを作品に起用していた。なおレギュラーキャストの中で藤岡のみが自家用飛行機の操縦免許を所持していた。
● ナレーション・次回予告
◇ ナレーション
: オープニングの刑事紹介映像と共に聞こえてくるナレーションがこのドラマの特徴の一つである。第1話から第52話は森山周一郎が、それ以後は中江真司が担当した。森山は本編では一度も担当することはなく、中江は主に後編冒頭におけるあらすじの説明を担当していたが、まれにそれ以外の回を担当することもあった。中江は最終回で神代の上司である査問委員の役を演じている。
◇(ナレーション一覧)
◇
◇森山時代(1-52話)
:大空駈ける男がいた
:大地を走る男がいた
:命を捨てて男がいた
:夜明けに叫ぶ男がいた
:謎を切り裂く男がいた
:闇を撃ち抜く男がいた
:風が光れば手錠がうなる、大東京に朝が来る
:彼ら特捜最前線
◇
◇中江時代前期(53-104話)
:天に、地に、絶えること無き犯罪に
:ひたすら戦いを挑む時、多くは語らない
:彼ら最前線の男達
◇
◇中江時代中期(105話-話数不明 例外回あり)
:愛と死と、憎悪が渦巻くメカニカルタウン
:非情の犯罪捜査に挑む、 心優しき戦士達
:彼ら特捜最前線
◇
◇中江時代後期(話数不明-最終回)
:愛を殺し、夢を葬り、心を奪い、人を犯す
:都会という名の罪人たち
:明日の見えない迷路に落ちた真実の鍵を捜し求めて
:愛の光で闇を撃つ
:彼ら特捜最前線
◇ 次回予告
: 最初期は「次回予告」のテロップで始まり、オープニングナレーションの森山周一郎が担当していた。4クール目からは冒頭にブルーバックで「特捜最前線 次回予告」のテロップによるタイトルが付いていた。
: 森山は自身がゲスト出演した53話の予告まで担当、以後本編の全面的リニューアルに合わせて中江に交代。第54話以降の予告は時間が若干伸び、番宣にも使い回されるようになった。ただし番組内での使用分と番宣ではラストにサブタイトルが表示されたりとしなかったりなど幾つかの相違点が存在する。
: 1981年春からは劇中の現場に現れた五木田武信がマイク片手に、あらすじを説明していくという演出に変更され、回をおうごとに冒頭と終わりにバンクフィルムによる特命課のセットに五木田が現れるシーンを挿入、それ以外はナレーションで済ませるという構図になったものの、この演出は3年で終了。以降は1981年以前の予告パターンに戻った。
:最終回は二谷らレギュラー総出演で「この10年間、特捜最前線をご支援いただき、ありがとうございました」と挨拶した。
● 番組についての逸話
・ このドラマは、神代警視正役を演じた主演の二谷英明をはじめ、特撮ヒーロー番組出身者(あるいは怪獣映画常連出演者)である俳優が善悪を問わず数多く出演していることから、一部のファンから、「特撮最前線」と便宜上呼称されることもあった。なお、番組終了後の後継枠である『テレビ朝日水曜21時枠刑事ドラマ』でもこの要素が踏襲されている。
・ 前番組の『特別機動捜査隊』と同じ東映テレビプロによる作品ではあるが、前番組のスタッフの大半は新たにスタートした『ジグザグブルース』や『快傑ズバット』、『ロボット110番』に回されたため、スタート時は『特別機動捜査隊』と同時期に終了した『非情のライセンス』からの陣営で固められた。
・ スタート当初、「特捜最前線」のタイトルは筆書きのロゴタイプであったが、第53話からはゴシック調のタイトルロゴに変わった。ただし、地方局での再放送では、第53話以降でもエンドカードに第52話までの筆書きロゴを使用した例もあった。
・ 桜井がヘリを操縦するシーンでは、後に自家用操縦士まで実際に取得した藤岡自身が担当していた。紅林が操縦をしているシーンでは、横光はヘリの免許を有していないために実際には操縦していない(他の特命課のメンバーも同様)。いかにも本人が操縦をしているかのように見せることには苦労したという。また、二谷以外の全員が本物のアマチュア無線技士である。
・ 刑事が滅多に拳銃を撃たないことも特徴の一つである。初期は発砲シーンもそれなりにあり、第57話、第79話、第104話、第154話、第171話など、幾度か大がかりな銃撃戦もあった。5年目以降は第276話や第361話など、発砲シーンが多く登場するにもかかわらず特命課は一発も撃っていないという回や、第335話や第436話など、銃器を所持した犯人に刑事が丸腰で立ち向かうという回も多く見られた。
・ 第1話の犯人逮捕シーンにレギュラーメンバーの中で高杉だけがいなかったり、地方ロケにも参加せず、他の刑事より明らかに出番が少ないなど、放送開始当初から西田敏行はかなり多忙であった。プロデューサーが「1クールでもいいから出演してほしい」と頼み込んで出演するに至ったという。
・ 桜井のキャラクターがアメリカでの過酷な経験で変わった、と設定されたのは、復帰の際に藤岡が「最近の刑事ドラマの刑事は人情刑事が多い。一人くらい非情に徹する男がいてもいいのではないか」と提案したことによる。
・ 最初、第1話の脚本は長坂秀佳・作によるものが予定されていた。しかしその台本を読んだパイロット監督の永野靖忠が「登場する刑事がみんな同じような台詞で、まるで『刑事くん』みたいだ」と難癖を付けたことを耳にして長坂は憤慨し、長坂は番組を降りることも考えたという。その台本は一度お蔵入りになりかけたものの「この台本は必ず使う」と言ったスタッフからの説得によって長坂も了承し、この作品は第7話『愛の刑事魂』として採用された。
・ 第123話「豪華フェリージャック・恐怖の20時間」は当初、桜井主役の回だったが、桜井役の藤岡弘が撮影中に捻挫し撮影不可能になってしまったため、主役は紅林刑事に変更した。
・ 第215話「シャムスンと呼ばれた女」では、内館牧子が岸牧子のペンネームで原案に初参加(「ドラマ」第1回プロット募集入選作品)。そのほか、第248話「殺人クイズ招待状」でも原案に参加している。
・ 第277話「橘警部逃亡」(原案:谷口義正、脚本:長坂秀佳)は、5周年記念としてプロットが一般公募され、応募総数3000通の中から谷口の作品が選ばれて、再編の上放送された。
・ 放送当時トミー(現:タカラトミー)からボードゲームが発売された。テレビ朝日・東映の正規の公認商品だったが、パッケージは作品とはなんら関係ない外国人の刑事3人のイラストが描かれていた。
・ 最高視聴率27.4パーセントを記録した時のテレビ朝日・高橋正樹プロデューサー(当時)の談話
: 「脚本を大事にして、なるべくオーソドックスに描いてきたことが結果的に良かったかも」
: 「(視聴率30パーセントの大台という期待については)上がれば上がったでコワイのが実感。あまり視聴率を意識せず、これまでどおりオーソドックスに地味にやっていきます」
・ 1985年には、レギュラー出演者が一人ずつレコードをリリースし、最終的にはそのベストアルバムまで出す計画が組まれていた。藤岡弘の歌う挿入歌の「右手に枯れたバラ」はその第1弾シングルであったが、このシングルを出したきり計画自体がフェードアウトした。
・ 第418話「少年はなぜ母を殺したか」は全編法廷の中だけ(しかもそれまでの過程は画面では描写されず、法廷での攻防のみのシーンだけで進行する)という異色作だった。監督・辻理によれば、この作品ではリアリティーにこだわり、裁判所への見学やリサーチを行って撮影したという。また役者には「台本を持たないでセットに入ってほしい」と依頼したり、助監督に実際の裁判資料とそっくりな物を作らせた(セリフを書いたわけではない)という。作品の視聴率は16.4パーセント(ビデオリサーチ関東地区調べ)と、まずまずの数字を残した。
・ 誠直也の降板は、一部スタッフとの折り合いや役に関していろいろと思うところがあったことが理由と言われている。第435話(「特命課・吉野刑事の殉職」)の脚本に竹山洋、監督に三ツ村鐵治を指名したのは、誠本人である。脚本家の長坂はDVD-BOXボーナスディスク収録のインタビューにおいて、ドラマ終了から数年後、自身の江戸川乱歩賞受賞記念パーティーの席で誠と再会した際、撮影当時に誠が吉野の人物設定に関して少なからず不満を持っていたということを知り、その件も含め酒の席でお互い朝まで語り合った末、和解したことを告白している。また、誠自身もファミリー劇場の取材で長坂と人物設定を巡り一時確執があったことと、降板を自ら申し出た事実を明らかにしている。
・ 当番組は『ニュースステーション』のスタートに伴い、水曜22時枠から木曜21時枠への時間変更をした。その第1弾は、「疑惑のXデー・爆破予告1010」で、当番組初の期首特番の2時間ドラマ(1985年10月10日木曜20時 - 21時48分まで放送)として放送されたが、再放送では、前編と後編に分けて放送された(2話連続放送を行っているファミリー劇場では前後編に分かれたものを繋げて放送した)。本放送時は、オープニングが始まる前に、1分30秒ほどのダイジェストが流れた。スペシャルが終了して次回予告の直前に、主演の二谷英明とレギュラーメンバーが集結して新メンバーが加わったことと時間枠が変更をしたことを視聴者にアピールした。また、本放送時には前半と後半に一回ずつ「特捜最前線は、10月17日より木曜夜9時放送になります。ますます面白い“特捜最前線”どうぞご期待下さい」と画面上にテロップが流された。新メンバーには、三ツ木清隆と渡辺篤史が特命課の刑事役で加入し、豪華ゲストとして二谷夫人の白川由美をはじめ、大場久美子、浅茅陽子、高城淳一、渥美国泰らが出演。この時の視聴率は、12.4パーセント(ビデオリサーチ関東地区調べ)。
・ 9周年記念犯人当て懸賞付きドラマとして放送された第460話と第461話の懸賞品は、「正解者の中から抽選で日産サニー1300DX(B12型・通称トラッドサニー)を1名様に、3組6名様にハワイ旅行ペアご招待」というものだった(応募総数26214通のうち、正解者は713通)。この企画の記者会見で、長門裕之は「殉職するんなら出るんじゃなかった」。また、脚本の長坂は「時間枠が変わって、視聴率も以前よりも下がって『何か手がないか?』って、高橋Pから相談され、『それじゃあ蒲生警視を殺していいか?』って言った。インパクトがないと視聴者にとって大事件じゃないからね。“犯人当て懸賞ドラマ”は?、というアイデアは五十嵐文郎Pが考えた。俺には、最後のダイイング・メッセージのアイデアがあったのでOKした」というコメントを残している。なお、視聴率は第459話が9.4パーセント、第460話が10.9パーセント(ビデオリサーチ関東地区調べ)とふるわなかった。
・ 「特捜」が水曜22時から木曜21時へ枠移動する事によって、旧時間帯の視聴者が離れ結果的に番組の寿命を縮めたと言われている。脚本家の藤井邦夫は、その時期に20本近い脚本を提供しているが、当時を回想し「時間帯が変わったので、少し(内容を)明るくしてというのはあった」と述べている。
・ 第488話の放送終了後の1986年12月19日 - 1986年12月24日までの5泊6日の日程で、特捜メンバーと行く「特捜ハワイツアー」が企画された。料金は17万9000円。旅行の企画はテレビ朝日と特捜最前線制作者が行なった。
・ 『ファンタスティック・コレクションNo.49 快傑ズバット』(朝日ソノラマ刊)におけるインタビューで、長坂は盟友である市川森一を『特捜』に招聘し、彼との(脚本での)対決シリーズを展開したいと抱負を語っているが、実際に市川が『特捜』を手掛けることは無かった。
・ 1992年にバンプレストから発売されたゲームソフト『ヒーロー戦記 プロジェクト オリュンポス』の劇中に、桜井と津上がそれぞれ本郷猛と城茂にそっくりな刑事として登場している。このゲームでの津上は風船爆弾事件の際に奇跡的に生還したという設定になっている。
・ 500回記念当時の脚本・長坂秀佳のコメント
:「タイトルは高橋Pがつけた。いいタイトルだったね。最終回の3本もそうなんだ。ただ、もう少しスマートにしたかったかな、『父の十字架』とか。でもこういうタイトルのそろえ方は好きなんだよ」
: この500回記念エピソードの視聴率(ビデオリサーチ関東地区調べ)は、前編「退職刑事船村・鬼」13.3パーセント。後編「退職刑事船村II・仏」11.6パーセントだった。
・ 1979年の中期からエンディングテロップの旧存クレジットと新規クレジットで字体が微妙に異なる現象がおきる(目安はそのスタッフの担当表記)。旧存の方は回を追うごとに新規クレジットに差し替えされた(中でも長坂秀佳、塙五郎、天野利彦、野田幸男はサブタイの後に脚本監督表記が付くようになった1984年春に差し替えされた)。また劇中テロップの字体や表記演出も回によって一貫しておらず、「つづく」のテロップに至っては縦書き表記だったり、その当時の他の東映作品の使用分を流用したりといった現象も見られた。また縦スクロール表記だった第68話・第69話・第436話では全て新規に作り直されている。
・ 同じ東映で製作された「スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説」(フジテレビ系で1985年から1986年に放送)に主演した南野陽子の述懐によれば、「スケバン刑事」と「特捜最前線」は同じ東映東京撮影所でスタジオ撮影が行われていて、それも隣の隣のスタジオのご近所同士だったことから、スタッフや出演者らが裏方で交流していて、夏夕介などはよく「スケバン刑事」のスタジオで出演者らとお茶を飲んでいたとのこと。
・ BGM(劇伴)の中には、木下忠司が書いたものではなく、アメリカ映画の音源集を流用しているものがあり、「プラン9・フロム・アウタースペース」(エド・ウッド監督作品)などで確認できる。
◎ 最終回について
・ 「特捜最前線」終了決定当時のテレビ朝日広報部のコメント
: 「視聴率だけ(が理由)ではありません。3年前から二谷さんから他の仕事にも力を入れて行きたいという申し出があり、その時は『(番組開始から)10年まで頑張りましょう』と言ってここまで来ました。10年ひと区切りと言いますから、いい潮時と思います。淋しさよりも、役目を終えたという満足感が強いです」。当作品はレギュラー版最終話で特命捜査課が特命捜査部に格上げされその下に特命一課と特命二課に設置された設定を踏襲しており、その中の特命一課が舞台になっている。
◎ 『特捜最前線2012』ストーリー
◎ 『特捜最前線2012』キャスト
・ 警視庁特命捜査部特命捜査一課
・ 友鷹 耀介(巡査部長) - 平岡祐太
・ 氷川 隼人(警部・特命一課チーフ) - 神尾佑
・ 草薙 剣(巡査部長) - RIKIYA
・ 袋井 十郎太(警部補) - 佐戸井けん太
・ 鴻神 大全(警視・特命一課長) - 渡辺いっけい
・ その他
・ 朝比奈 飛鳥 - 浅見れいな
・ 香川 マリア - 近野成美
・ 高柳 清元 - 長谷川朝晴
・ 法岳 治武 - 大河内浩
・ 山中崇史
・ 松浦佐知子
・ 茅島成美
・ 天満 龍之介 - 弓削智久
◎ 『特捜最前線2012』スタッフ
・ 制作:福原英行、植村徹、古玉國彦
・ 企画:日達長夫、小坂恵一、金子建
・ エグゼグティブプロデューサー:加藤和夫、福島正浩、山本健太郎
・ プロデューサー:和佐野健一
・ 脚本:長坂秀佳
・ 音楽:安川午朗
・ 撮影:瀬川龍
・ ナレーション:掛川裕彦
・ 監督:田﨑竜太
・ 制作:東映
・ 製作:「特捜最前線×プレイガール」製作委員会(東映チャンネル、東映ビデオ、東北新社)
● 特捜最前線2013〜7頭の警察犬
『特捜最前線2013〜7頭の警察犬』(とくそうさいぜんせん2013〜7とうのけいさつけん)は、2013年9月29日の21:00 - 23:10(JST)に、テレビ朝日系列『日曜エンターテインメント』枠にて放送。シリーズ終了後、地上波でこの作品の新作が放送されるのは初めて。主演は上川隆也。東映京都撮影所が制作しているため、『科捜研の女』などと同様、京都が舞台となっている。
主な出演者のうち、小林稔侍、片桐竜次は過去のテレビシリーズにたびたび出演している。
◎ 『特捜最前線2013』ストーリー
◎ 『特捜最前線2013』キャスト
・ 警視庁特捜課
・ 椚谷 評介(くぬぎや ひょうすけ)巡査部長 - 上川隆也
・ 松城 実朗(まつじょう じつろう)警部 - 石黒賢
・ 紅竹 咲馬(くれたけ さくま)巡査部長 - 平岳大
・ 鷹柳 岳志(たかやなぎ たけし)巡査部長 - 平山祐介
・ 栗風 流(くりかぜ りゅう)巡査部長 - 渡部豪太
・ 杜氏 梅吉(とうじ うめきち)警部補 - 笹野高史
・ 榊田 聡一郎(さかきだ そういちろう)警視 - 小林稔侍
・ ブルカーン(椚谷の相棒・警察犬)
・ 警視庁麻薬対策班
・ 伊沢 竜司(いざわ りゅうじ) - 平山浩行
・ 長谷川 伸彦(はせがわ のぶひこ) - 中山一也
・ 山岡 進二 - 載寧龍二
・ 乾部 兵庫(かんべ ひょうご) - 小日向文世
・ 犬塚警察犬訓練所
・ 朝水 彩栞(あさみず あやか) - 原沙知絵
・ 犬塚 凡海(いぬづか ぼんかい) - きたろう
・ ハスティ(朝水の相棒・警察犬)
・ クリプトガム
・ ロバート原口 - 本宮泰風
・ 仲田 一也 - 榊英雄
・ 岩間 桐江 - 矢吹春奈
・ 浜田 攘 - 辻本祐樹
・ 竹内 猟次郎 - 片桐竜次
・ その他
・ 萌木 俵子 - 久世星佳
・ 村路 - 奥深山新
・ 明美 - 映美くらら
・ マリー・アン - ジゼル・クナナン
・ 椚谷 莉々子 - 福井美都
◎ 『特捜最前線2013』スタッフ
・ 脚本:長坂秀佳
・ 音楽:吉川清之
・ 監督:橋本一
・ テーマ音楽:木下忠司
・ エンディングテーマ:笹野高史「私だけの十字架」
・ 助監督:倉橋龍介
・ VFX:クロフネプロダクト、キルアフィルム
・ 擬斗:中村健人
・ スタント:野々村仁、太田雅之、奥深山新、増田広司、北川裕介
・ ガンエフェクト・操演:パイロテック
・ ドッグトレーナー:宮忠臣
・ プロダクション協力:東映太秦映画村
・ 編成:尾木晴佳
・ チーフプロデューサー:五十嵐文郎
・ プロデューサー:島川博篤、河瀬光、小野川隆
・ ラインプロデューサー:進藤盛延
・ プロデューサー補:西原宗実
・ 制作:テレビ朝日、東映
● ネット局
系列は2023年1月現在の系列。レギュラー版は本放送を実施した局のみ記述。○は現在他系列局であるが、放送当時はテレビ朝日系列とのクロスネット局。☆は地方ロケをした回に制作協力した(エンドロールに表示が出た)局。太字はレギュラー放送を本放送で放送し、なおかつ『特捜最前線2013〜7頭の警察犬〜』も放送したANNフルネット局(放送局によっては再放送を実施した局もある)。グアムでも放送していた。
関東広域圏
テレビ朝日
テレビ朝日系列
制作局
北海道
北海道テレビ
同時ネット
テレビ北海道(テレビ東京系列)でも深夜に再放送を行ったこともあった
青森県
青森放送
日本テレビ系列
遅れネット
○
青森朝日放送
テレビ朝日系列
-
特捜最前線2013のみ放送
岩手県
テレビ岩手
日本テレビ系列
遅れネット
○1979年9月まで(のちに1994年に再放送扱いで初回から放送再開)
IBC岩手放送
TBS系列
1979年10月から
岩手朝日テレビ
テレビ朝日系列
-
特捜最前線2013のみ放送
宮城県
東日本放送
同時ネット
秋田県
秋田放送
日本テレビ系列
遅れネット
本放送を秋田テレビに移行した後も再放送は秋田放送で実施していたことがある。
秋田テレビ
フジテレビ系列
同時ネット
→遅れネット
○1981年から
秋田朝日放送
テレビ朝日系列
-
特捜最前線2013のみ放送
山形県
山形テレビ
遅れネット
1980年3月まで
山形放送
日本テレビ系列
同時ネット
→遅れネット
○1980年4月から
福島県
福島中央テレビ
日本テレビ系列
遅れネット
1981年9月まで
福島放送
テレビ朝日系列
同時ネット
1981年10月開局から
山梨県
山梨放送
日本テレビ系列
遅れネット
-
テレビ山梨
TBS系列
新潟県
新潟総合テレビ
フジテレビ系列
同時ネット
○☆1983年9月まで
現・NST新潟総合テレビ
新潟テレビ21
テレビ朝日系列
1983年10月開局から
長野県
長野放送
フジテレビ系列
遅れネット
1980年9月まで
テレビ信州
日本テレビ系列
同時ネット
→遅れネット
○1980年10月開局から。
長野朝日放送
テレビ朝日系列
-
特捜最前線2013のみ放送
静岡県
テレビ静岡
フジテレビ系列
遅れネット
1978年6月まで
静岡朝日テレビ
テレビ朝日系列
同時ネット
☆1978年7月から
(開局当時は静岡けんみんテレビ)
富山県
北日本放送
日本テレビ系列
遅れネット
平日16:00~16:55に不定期放送
石川県
北陸放送
TBS系列
北陸朝日放送
テレビ朝日系列
-
特捜最前線2013のみ放送
福井県
福井テレビ
フジテレビ系列
遅れネット
中京広域圏
名古屋テレビ
テレビ朝日系列
同時ネット
近畿広域圏
朝日放送
現・朝日放送テレビ
鳥取県
島根県
山陰中央テレビ
フジテレビ系列
遅れネット
岡山県
岡山放送
同時ネット
○1979年3月までの放送免許エリアは岡山県のみ
1979年4月の岡山・香川の電波相互乗り入れにより瀬戸内海放送へ一本化
香川県
→岡山県
香川県
瀬戸内海放送
テレビ朝日系列
☆1979年3月までの放送免許エリアは香川県のみ
1979年4月の岡山・香川の電波相互乗り入れにより岡山県にもエリア拡大
広島県
広島ホームテレビ
山口県
テレビ山口
TBS系列
○1978年9月まで
山口放送
日本テレビ系列
遅れネット
○1978年10月から
山口朝日放送
テレビ朝日系列
-
特捜最前線2013のみ放送
徳島県
四国放送
日本テレビ系列
遅れネット
愛媛県
南海放送
同時ネット
→遅れネット
愛媛朝日テレビ
テレビ朝日系列
-
特捜最前線2013のみ放送
高知県
テレビ高知
TBS系列
遅れネット
福岡県
九州朝日放送
テレビ朝日系列
同時ネット
長崎県
長崎放送
TBS系列
遅れネット
長崎文化放送
テレビ朝日系列
-
特捜最前線2013のみ放送
熊本県
テレビ熊本
フジテレビ系列
遅れネット
○
熊本朝日放送
テレビ朝日系列
-
特捜最前線2013のみ放送
大分県
テレビ大分
日本テレビ系列
フジテレビ系列
同時ネット→遅れネット
○
大分朝日放送
テレビ朝日系列
-
特捜最前線2013のみ放送
宮崎県
テレビ宮崎
フジテレビ系列
日本テレビ系列
テレビ朝日系列
同時ネット
→遅れネット
鹿児島県
鹿児島テレビ
フジテレビ系列
同時ネット
○1982年9月まで
鹿児島放送
テレビ朝日系列
1982年10月開局から
沖縄県
沖縄テレビ
フジテレビ系列
遅れネット
琉球放送
TBS系列
移行時期不明
琉球朝日放送
テレビ朝日系列
-
特捜最前線2013のみ放送
「特捜最前線」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
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好き嫌い準決勝
好き嫌い準々決勝
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