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クリケット


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クリケットは、クリケットバットとクリケットボールを用いて1チームが11人の計2チームの間で行われるスポーツ(球技)である。中国語表記や和名は板球。長径140メートル程の楕円形のフィールドの中で、長さ20メートル程の長方形のピッチを中心に各チームが交互に攻撃と守備を行い、得点数の優劣に基づいて勝敗を競う。国際クリケット評議会(ICC)の発表によると、世界の16歳以上の競技人口は3億人以上である。

● 概要
クリケットは16世紀にイングランド南部で始まったスポーツの一種であり、最初の競技規則は1744年に制定された。18世紀末までには、イングランドの国民的スポーツへと発展し、大英帝国の拡大によって海外でもプレーされるようになった。初の国際試合は1844年にアメリカのニューヨークで開催された。伝統的にオーストラリアやニュージーランド、南アフリカ、ジンバブエ、アフガニスタン、西インド諸島でも人気がある。北米や中東にもプロリーグがあり、100カ国以上でプレーされている。国際クリケット評議会(ICC)の調査によると、世界の16〜69歳のクリケットファンは10億人を越えており。 全面芝のフィールドでプレイされ、試合中にはティータイムもある。その優雅な雰囲気から別名「紳士・淑女のスポーツ」といわれる。1805年に開始されたイートン校とハロウ校との間で毎年開催される定期戦は、世界で最も歴史の長いスポーツイベントの一つであり、クリケットの聖地と呼ばれるローズ・クリケット・グラウンドで200年以上行われている。オックスフォード大学とケンブリッジ大学との間で毎年開催されている定期戦も200年近くの歴史がある。イギリス王室と歴史的に深く結びついており、大英帝国勲章のナイトの称号を授与されたクリケット選手はスポーツ界の中で特に多い。クリケット・ワールドカップは200以上の国・地域で視聴されており、FIFAワールドカップ、夏季オリンピックに次いで世界で3番目に視聴者数の多いスポーツイベントである。世界選手権大会は他にT20ワールドカップや女子クリケット・ワールドカップ等がある。2022年の男子T20ワールドカップでは、ICCの動画配信プラットフォームにおいて65億8000万回の視聴回数を記録した。 世界の競技人口は16歳以上で3億人を越えており、16歳未満も含めれば更に加算される。世界的な競技人口やファン人口が多いことから、サッカーに次いで2番目に人気の高いスポーツである。一方で世界のクリケットファンの大半をインド亜大陸で占めていることから、地域的な人気の偏りが強い。日本クリケット協会によると、日本の競技人口は約4,000人であり、人気や認知度は低くマイナースポーツとされている。ただ日本には早い時期に伝わっており、幕末の1863年に日本で最初のクリケットの試合となった横浜商人とイギリス海軍の試合が横浜で行われた。アメリカでは英領アメリカ時代の1709年から言及が始まり、1861年に起きた南北戦争以前は一番人気のスポーツだったが、19世紀後半に野球やアメリカンフットボールなど後発のアメリカ発祥のスポーツの発展により衰退した。 国際公式試合はテスト・クリケット、ワン・デイ・インターナショナル(ODI)、トゥエンティ20(T20)の3形式がある。これらの試合はICCによって承認された規則と規制に基づいて行われるずつの1イニング制であり、7時間程度で試合が終了する形式である。1975年に開始されたクリケット・ワールドカップはこの形式であり、正会員とODIの試合を行う権利を得た一部の準会員のナショナルチームしか行うことができない。トゥエンティ20(T20)は、2003年にイングランドの国内リーグで導入され、国際試合では2005年に開始された規定投球数が20オーバー(120球)ずつの1イニング制であり、3時間程度で試合が終了する形式となる。全ての準会員を含めた100以上のナショナルチームで行うことができる)で契約しており、1試合当たりの放映権料は世界のプロスポーツリーグでNFLに次いで2番目に高額である。オーストラリアのビッグ・バッシュ・リーグや西インド諸島のカリビアン・プレミアリーグも高い人気がある。アメリカでは2023年にメジャーリーグクリケット(MLC)が開幕した。また、女子のT20形式のプロリーグも急速に発展しており、インドでは2023年に女子プレミアリーグ(WPL)が開幕した。WPLはバスケットボールのWNBAと並び、女子プロスポーツリーグとして世界屈指の経済規模がある。 オリンピックでは1900年のパリ大会においてクリケット競技が1度だけ行われたが、2028年ロサンゼルスオリンピックで再び実施されることが2023年のIOC総会で決定した。男女2種目のトゥエンティ20(T20)形式で行われる予定である。オリンピック参加に長い間消極的だったこともあり、1世紀以上に渡って実施されなかった。特に強い発言力を持つとされるイングランド・ウェールズクリケット委員会とインドクリケット管理委員会は、長期においてオリンピック参加に反対の立場をとっていた。しかし、近年はクリケットを再びオリンピック競技にしようとする動きが高まっていた。ICCは2021年、ロサンゼルス大会をターゲットとして推進する意向を表明し、その2年後に同大会でのオリンピック復帰が決定となった。LA28大会組織委員会のワッサーマン委員長は、クリケット採用に関し、「25億人のファンを有するスポーツを我々の都市にもたらす好機」と述べた。 クリケットの競技規則は、メリルボーン・クリケット・クラブ(MCC)が管理しているクリケット法を基準としている。試合は1チーム11人の2チームによって交互に攻撃と守備を1回ずつの1イニング制、または2回ずつの2イニング制で行われる。守備側が攻撃側から10アウトを取るか、規定投球数を投げ切るかで攻守交代となる。試合を行うフィールドは長径140メートル程の楕円形であり、その中央には長さ22ヤード(20.12メートル)の長方形のピッチがある。 主な得点方法は攻撃側の選手(バッター)が守備側の選手(ボウラー)の投げたボールをバットで打ち、その間に2人の攻撃側選手がピッチの反対側まで走り、守備側の返球でウィケットと呼ばれる杭を倒されるよりも早く、2人とも体の一部かバットがクリースと呼ばれるラインを越えると1点となる。クリケットはサクソン人またはノルマン人の時代に、イングランド南東部の密林と開拓地が広がる地域に住む子供達によって発明された可能性があるという専門家の意見の一致がある。クリケットが成人のスポーツとしてプレーされたことが初めて言及されたのは1611年である。サセックスは1839年に設立された英国のカウンティクラブの中で最初であり、残りのクラブも19世紀末までにこれに続いた。19世紀半ばには1000を超えるクリケットクラブが全米に存在し。エイブラハム・リンカーンは1849年に有料でクリケット観戦をしている。1861年に始まった南北戦争中に後発の野球がアメリカ発祥のスポーツとしての地位を徐々に高めていき、1876年に野球のナショナルリーグが設立された。一方、クリケットは全米での最盛期が終焉し、衰退した。その後、西インド諸島 (1928年)、ニュージーランド (1930年)、インド (1932年) は、第二次世界大戦前にテスト・クリケットが行うことが可能となり、大戦後にパキスタン (1952年) も可能となった。その中でも最も大きな変化はクリケットの新しい形式、つまり最短版であるトゥエンティ20(T20)であり、試合時間が3時間程度で終了するスペクタクルの創設である。2023年10月、第141回IOC総会がインドのムンバイで開催され、ロサンゼルスオリンピックで実施されることが正式に決定した。

● ルール


◎ 概略
クリケットのルールは、国際競技連盟のICCとイギリスで1787年に設立されたメリルボーン・クリケット・クラブ(MCC)が協議して決めている。競技規則となるクリケット法は、1744年に作成され、1788年以降は幾度かの改正を重ねながら、現在に至るまでまでMCCが管理している。2023年現在の最新版は2017年コード第3版である。 ゲームは、各11人で構成される2チームがコイントスで先攻と後攻を決め、攻撃側と守備側に交互に分かれて対戦する。プレイフィールドの中央にピッチと呼ばれる縦長の場所があり、20.12メートル離れたその両端に高さ約71センチメートルの3本の杭(スタンプ)とそれを上部で繋ぐ梁(ベイル)で構成されるウィケットと呼ばれる柱状のものが刺さっている。 守備側はボールを投げるボウラー(投手)、それを受けるウィケットキーパー(捕手)、その他の9人はフィールダー(野手)としてプレイフィールド各所に配置する。 攻撃側は1番から11番まで打順を決め、1番打者と2番打者がバットを持ちプロテクターをつけて各ウィケットの手前で配置につき、3番打者以降はベンチで成り行きを見守る。片方の打者がアウトになったら、アウトになった打者と交代で順番に従ってフィールドに入り打撃を行う。フィールドに出ている打者2人をバッターといい、ボウラーと対峙する方のバッターをストライカー、ストライカーの反対側でランナーとなるバッターをノンストライカーという。以前は男子バッターをバッツマン、女子バッターをバッツウーマンと呼んでいたが、ICCやMCCはジェンダー平等の観点によって、性別を問わず公式にバッターと呼ぶことに変更した。 ボウラーは片側のウィケットの後方から助走をつけて、肘を伸ばし、もう片側のウィケット目掛けてワンバウンドさせるようにして投球する。それに対してバッターは、アウトにならないようにバットを用いてそれをブロックしたり、ラン(得点)するためにボールを遠くまで打つ。打つ方向は360度どの方向に打っても良い。 バッターがボウラーの投球を打った後、2人のバッター(ストライカーとノンストライカー)それぞれ相方側のウィケットの方向まで走り、双方がウィケットの前に引いてある安全線(ポッピングクリース)に到達すると1ランが入る。バッターが打球を遠くまで打ったときは1往復、1往復半、2往復などしても良く、それぞれ2ラン、3ラン、4ランなどと得点が入る。また、プレイフィールドの境界(バウンダリー)を超えてボールが飛んでいった場合は、走らなくても規定の得点が入る。ゴロでバウンダリーを越えた場合は4ラン、飛球であれば6ランである。バッターは、走ってもアウトになりそうだと判断した場合は走らなくて良く、またアウトにならない限り投球を見送ってもよい。一人のバッターが1イニングで100ラン以上を獲得することをセンチュリーといい、バッターとして大変な名誉とみなされる。また、50ラン以上はハーフセンチュリーという。 バッターがアウトになるのは、
◇ボウルド (Bowled) :ボウラーによって投げられたボールがウィケットに当たる
◇コート (Caught) :バッターが打った飛球をグラウンドに着く前にキャッチされる
◇ランアウト (Run out) :バッターの体やバットの一部がポッピングクリースの後側に位置していない時に、相手チームによって正しくウィケットが倒される などの場合である。詳細はアウト節を参照のこと。アウトになったバッターは次の打順のバッターと交替する。クリケットでは、アウトにならない限りいつまで打っていてもよく、逆にアウトになったらその試合ではもう打つことはできない。 ボウラーが6球投球することを1オーバーといい、オーバーになるとボウラーは交替し(2オーバー連続して投げることはできない)、反対側のウィケットから次のボウラーが投球する。ODI形式やT20形式では1人のボウラーは総オーバーの5分の1までしか投球できないため、ODI形式では10オーバー(60球)、T20形式では4オーバー(24球)が上限である。1チームにボウラーは最低5人は必要である。 攻撃側が10人アウトになるか、ODI形式なら50オーバー、T20形式なら20オーバーを完了した時点でイニング終了となり、攻守交替する。 先攻後攻それぞれ1イニングずつ攻撃し、ランの多い方が勝利チームとなる。 両者の力関係にもよるが、クリケット・ワールドカップルールでは1イニング200-300ラン程度入り、試合時間は食事の休憩を含めると7時間以上かかる長丁場である。T20形式は3時間程度で試合が終了し、イニング途中に飲水タイムはあるが、食事の休憩はない、MLBやNPBで使用される野球場のグラウンド面積より広い。

◎ 試合の進行
試合は2チームの攻撃によって行われる。上記のように大会によりルールは異なるが、1回の攻撃と守備が1イニングとカウントされ、またボウラーが6球投げ1オーバーとカウントされる。このイニングか、オーバーのどちらか、または両方で試合の長さに関する制限がされ、試合時間が決まる。 試合はコイントスなどにより先攻・後攻を決めて試合が始まる。トスから30分程度の後に試合が始まる。それぞれのチームが攻撃(バッティング)と守備(フィールディング)につき、試合が始まる。

◎ バッティング
クリケットには以下のような打ち方がある。
・ ドライブ
 ・ フロントフットドライブ(投球の来た方向に打球が飛ぶ)
 ・ バックフットドライブ(投球の来た方向、または体の前に打球が飛ぶ)
・ プルショット(引っぱり、体の向きの真後ろに飛ばす)
・ レッググランス(足下への投球を後ろにそらす)
・ カットショット(体の真正面に打球を飛ばす)
 ・ レイトカット(打撃点を遅らせ後ろ45度の方向に打球を飛ばす)
・ スウィープショット(足下への遅い球を、ほうきで払うように横に飛ばす) などといった打ち方がある。 また、必ずしも投球を打たなくても良く、ブロックし、投球がウィケットに当たるのを阻止したり、アウトにならないために無理に打たずに見送ったりということがある。

◎ ラン(得点)
得点は走った数で数えられるので、得点はラン(run/runs)と表記される。クリケットの得点は、同時にフィールドにいる2人のバッターが、お互いに反対側のポッピングクリースのラインをまたぐことで1点と数える。走った数で得られるランは大半が1ランであり、3ラン(1往復半)になると頻度が低くなる。4ラン以上も可能だが、守備チームのエラーが発生した場合などにほぼ限定される。 片方のバッターのみが入り、もう片方が辿り着く前に送球等でウィケットが倒された場合には得点にならず、倒された側のウィケットに近かったバッターがアウトとなる。走者の距離が足りなかった場合、ポッピングクリースのラインよりも手前、またはライン上までしか来なかった場合はランが不成立となる。このような場合に気がつかず、往復してしまっている場合は「ショートラン」と言い、得点がカウントされない。カウントされない得点はショートランとなったもののみを数える(往復する際の初めの時が足りていなかったら、1ラン目のみ無効とされ、帰りの1点はカウントされる)。 通常は上記のように走った回数によって得点が入るが、
◇ 4ラン :バッターが打球したボールがワンバウンド以上でバウンダリーを越えた場合は、自動的に4得点が記録される。
◇ 6ラン :バッターが打球したボールがノーバウンドでバウンダリーを越えた場合は、自動的に6得点が記録される。 などのように、あらかじめ決められている得点の入り方も存在する。クリケットのランにおいて最大の特徴は、バットを使えることである。体の一部としてバットを考えるため、バットを持ちながら走る。通常は、バットをポッピングクリースのラインに擦るようにしてランを行う。往復する時は、バットの先をラインよりもウィケット側につけて返ることで、早く往復できる。クリケットの醍醐味の1つにバッター2人のパートナーシップがある。このパートナーシップにより伸ばせるランに違いが出ることも面白い点である。勝手に走ることは許されない。

◎ エキストラ(得点)
エキストラポイントとは、バッターがバットを使って獲得した点数(ラン)とは異なり、守備側の反則などにより攻撃側に与えられる点数である。攻撃側のチームの点数となるが、バッター個人の点数には含まれない。
◇ ノーボール (No ball, Law 21) :ボウラーが不正に投球した場合など。投球する時、かかとがポッピングクリースを超えたり、後ろ足がリターンクリースをはみ出した場合、肘を曲げて投げた場合など。ペナルティとして攻撃チームに1点加算される。1オーバーの6回の投球数のうちに含まれない。
◇ ワイドボール (Wide ball, Law 22) :ボウラーが投球したボールがバッターのバットに到底届きそうにないほど、打撃可能な範囲を越えて暴投した場合。ペナルティとして攻撃チームに1点加算される。1オーバーの6回の投球数のうちに含まれない。
◇ バイ (Bye, Law 23) :ノーボールでもワイドボールでもない正規のボールだが、バッターが空振りや見送りをして、バットにもウィケットにも当たらなかったボールをウィケットキーパーが後ろにそらした場合、打者は反対側のポッピングクリースに走って点数を稼ぐことが出来る。ただバッター個人の点数にはならない。ウィケットキーパーが後ろにそらしたボールが転がったままバウンダリーを超えた場合は、攻撃チームに4点加算される。
◇ レッグバイ (Leg bye, Law 24) :ノーボールでもワイドボールでもない正規のボールが打者の身体や防具に当たり、そのままそれた場合など。ボールが転がったままバウンダリーを超えた場合は攻撃チームに4点加算される。ただ、バッターがバットでプレーを試みていた場合やボールが身体に当たるのを避けていた場合に適用するが、故意にボールに当たった場合は適用されない。
◇ ペナルティラン (Penalty run, Law 28 41 42) :野手の反則により、攻撃チームに5点加算される。例えば守備側のヘルメット等の道具をフィールドに置き、打球が当たった場合はこれに当たる。また、アンフェアなプレーやスポーツマンシップに反する行為としてのペナルティは、攻撃と守備の両チームに適用される。

◎ アウト

  1   コート  56.92%
  2   ボウルド  21.43%
  3   LBW  14.30%
  4   ランアウト  3.51%
  5   スタンプト  2.03%
  6   その他  1.81%
競技規則であるクリケット法の2017年コード第3版によると、守備側がアウトを取る方法は9種類である。主要なアウトはコート、ボウルド、LBW、ランアウト、スタンプトの5種類であり、1877年から2012年までのテスト・クリケットの統計では全アウトの98%以上を占める。その他4つのアウト方法は稀である。以前はハンドルド・ザ・ボールというアウト方法もあったが、除外された。バッターはアウトになると、次のバッターと交代しなければならない。クリケットのアウトはなかなか取れず、一人のバッターに対して合計100球以上投げてもアウトが取れないこともある。バッターが1点の得点も上げられずにアウトになる事をダック(Duck)と呼び、スコアカードの自身の得点欄にはアヒルのマークが記載され、テレビ中継でもその様に表示される。 クリケット法(Laws of Cricket、2017年コード第3版)に記載されているアウトを簡単に紹介する。かつては1オーバー勝負で同点だった場合は、バウンダリー(6点か4点)を多く取ったチームが勝者となっていたが、相手よりも多くのラン(得点)を獲得したほうが勝利という基本原理に従い、決着が着くまで1オーバーずつ繰り返すことに変更した。変更のきっかけとなった2019 クリケット・ワールドカップのイングランド代表とニュージーランド代表との決勝戦では、241対241の同点になり、その後のスーパーオーバーでも15対15の同点となった。国際的に発展し始めたのは20世紀からであり、1934年にイングランドとオーストラリアの間で初めてナショナルチームのテストマッチが行われた。その翌年にはニュージーランドも参加した。1958年には国際女子クリケット評議会(International Women's Cricket Council)が創設された。1973年には女子クリケット・ワールドカップがイングランドで初開催された。2020年現在の女子クリケット・ワールドカップの最多優勝国は6回のオーストラリアである。2005年には国際女子クリケット評議会が国際クリケット評議会(ICC)に吸収合併され、男女一体となる一つの統括団体となった。2015年10月1日からICCによって3つの形式による女子の世界ランキングが開始された。

● 統括団体


◎ 国際クリケット評議会
クリケットの国際競技連盟は、国際クリケット評議会である。1909年に設立され、本部はアラブ首長国連邦のドバイにある。2005年まで本部はイギリス・ロンドンのローズ・クリケット・グラウンドにあった。 2023年現在、正会員は12の国と地域、準会員は96の国と地域、合計108の国と地域の協会が所属している。西インド諸島代表はカリブ海地域の15の国と地域が連合になった多国籍ナショナルチームであることから、実質的に120を超える国と地域が所属エリアとなる。また、イングランド代表はウェールズとの合同チームであり、アイルランド代表はイギリスの北アイルランドとの合同チームである。12の正会員の国と地域は以下の通り。
国・地域 正会員加盟日
   1909年7月15日
   1909年7月15日
   1909年7月15日
   1926年5月31日
  西インド諸島  1926年5月31日
   1926年5月31日
   1952年7月28日
   1981年7月21日
   1992年7月6日
   2000年6月26日
   2017年6月22日
   2017年6月22日


◎ 大陸競技連盟
以下の5つの大陸競技連盟がある。
・ アジアクリケット評議会(ACC)
・ 欧州クリケット評議会(ECC)
・ アフリカクリケット連盟(ACA)
・ ICCアメリカ
・ ICC東アジア太平洋

● 国際大会

◇クリケット・ワールドカップ :1975年に始まった4年に1度開催されるクリケットで最大の世界選手権大会。試合形式はワン・デイ・インターナショナル(ODI)。FIFAワールドカップと夏季オリンピックに次いで世界で3番目に視聴者数の多いスポーツイベント。
○ トゥエンティ20
更に短時間で試合が終わる20オーバー制のトゥエンティ20(T20)形式が2003年に導入され、その後各国でプロリーグが新設された。インドのインディアン・プレミアリーグ(IPL)は世界最大規模のプロクリケットリーグである。アメリカ経済誌フォーブスの算定によると、2022年時点のIPLの1チーム平均資産価値は10億4000万ドルであり、北米4大プロスポーツリーグの一つであるNHLを上回った。
国・地域 リーグ
  アイルランド  
  アフガニスタン  アフガニスタン・プレミアリーグ
  アメリカ  メジャーリーグクリケット

  アラブ首長国連邦  
  イングランド
ウェールズ   トゥエンティ20カップ
  インド    インディアン・プレミアリーグ
女子プレミアリーグ
  オーストラリア  ビッグ・バッシュ・リーグ
  オランダ  
  カナダ  
  スリランカ   
  西インド諸島    カリビアン・プレミアリーグ
  ニュージーランド   
  ネパール  
  パキスタン    パキスタン・スーパーリーグ
  バングラデシュ  バングラデシュ・プレミアリーグ
  南アフリカ   


● クリケット選手


◎ 代表的な選手
クリケットの長い歴史の中で最も偉大な選手の一人としてオーストラリアのドナルド・ブラッドマンが挙げられる。ブラッドマンは史上最高のクリケット選手と評され、ペレやモハメド・アリ等と共に20世紀を代表するスポーツ選手の一人である、テスト形式とODI形式で歴代最多得点(ラン)を記録している。バルバドスのガーフィールド・ソバーズは史上最高のオールラウンダーの一人であり、ジャック・ホッブスやシェーン・ウォーン、ヴィヴ・リチャーズも20世紀のトップ5選手に選出されている。19世紀を代表する選手はイングランドのW・G・グレースが挙げられる。 現役選手ではインドのヴィラット・コーリが2010年代から2020年代にかけて世界最高選手の一人として挙げられる。2020年に国際クリケット評議会より、過去10年間における世界最優秀選手賞を受賞した。インドではスポーツ界を越えたスーパースターであり、2023年にInstagram公式アカウントのフォロワー数がアジア人として史上初の2億5000万を超えた。

◎ 世界最優秀選手賞

・ サー・ガーフィールド・ソバーズ・トロフィー
・ ウィズデン・リーディング・クリケッター・イン・ザ・ワールド

● アマチュア・クリケット


◎ 歴史的なアマチュア
歴史的なイギリスのアマチュアは、上流階級や少なくとも中流階級であり、十分な富を所有し、好きな時に自由にプレーすることが可能であり、定期収入などの些細なことを心配する必要がない人々が典型である。一方、プロはクリケットをプレーするために雇われた労働者階級の人々が典型である。大学クリケットは1827年に開始されたオックスフォード大学とケンブリッジ大学との間で行われる試合が代表的である。ザ・大学マッチ(The University Match)と呼ばれ、ボートレースより長い歴史がある。

◎ クリケットの種類
アマチュア向けの様々な形式のクリケットが世界各地で行われている。

・ デクラレーション・クリケット

・ インドア・クリケット



・ ガーデン・クリケット

・ テニスボール・クリケット






● イギリス王室とクリケット
イギリスの上流階級の間で人気があったクリケットの歴史には、イギリス王室の王族が頻繁に登場する。

◎ エリザベス2世とフィリップ王配
エリザベス2世はクリケットの大ファンとして知られ、生涯に渡ってクリケットをサポートし続けた。王配のフィリップと同行して、クリケットの聖地と呼ばれるローズ・クリケット・グラウンドに公式訪問として33回訪れた。テニスのウィンブルドン選手権の公式訪問が生涯で4回である。女王は王室の公務から早めに帰宅してクリケットの試合を観戦していたとも伝えられている。イングランドで開催された1975年、1979年、1983年、1999年のワールドカップでは、バッキンガム宮殿での歓迎会に全チームを招待した、あらゆるスポーツ界の中でも史上最高の試合の一つと評されるほどの大接戦となり、イングランド代表が念願の初優勝をした。女王は、「今日のワールドカップ決勝でこのようなスリリングな勝利を収めたイングランド男子クリケットチームに、フィリップ王子と私は心からの祝福を送ります。」と述べた。女王在位中に26人のクリケット選手に大英帝国勲章のナイトの称号を授与した。フィリップは世界のクリケット界に影響力の大きいメリルボーン・クリケット・クラブの会長職にもなった。この会長職は当時は自動的に国際クリケット評議会の議長職を兼任していた。フィリップはクリケットの聖書と呼ばれるウィズデン・クリケッターズ年鑑に「クリケットに関する全てを楽しんでいる。チェスのように繊細であり、陸上競技の全ての優雅さと体力を必要とし、熟練した政治家の心理的な洞察力や判断力が必要になる。」と記した。2023年には長男のジョージとテスト・クリケットのジ・アッシズをローズ・クリケット・グラウンドで観戦した。弟のヘンリー王子も熱烈なクリケットファンで、イングランドの試合に頻繁に足を運んでいる。イギリス王室出身としては史上初の最高水準のファースト・クラス・クリケット選手となり、19世紀の世界最高の選手と言われるW・G・グレースとの対戦経験もある。

● 類似競技


◎ 野球
野球は一見クリケットと似ており、投手が投げたボールを打者が打ち、打ったボールがフィールドを転がる間に打者が走って点を重ねるスポーツである。 クリケットは野球との相違も多く、代表的な点としては
・ 投手は助走を付けられるが、肘は伸ばして投げなくてはいけない。
・ 打者は投げられたボールがノーバウンドであろうと、ワンバウンドであろうと構わず打つ。
・ 打者は全方位どこに向かって打ってもよい。
・ 後ろに立つ3本の棒(ウィケット、三柱門と書かれている時がある)に投球が当たるとアウト。
 ・ 3ストライクなどではなく、ウィケットに1球でも投球が当たればアウト。
 ・ そのかわりアウトにならなければ、何球でも打者は打てる。
・ 打者はペアを組んで打撃し、投球をいくら見送っても良く、打って走らなくてもいい(但し、得点するためには走る)。 などの違いがある。 また、道具にも違いがあり、バットは棒形ではなく平たいオール型をし、グローブは捕手のみが着用を許され、両手に付けることができる。

◎ その他

・ ソフトボール
・ ラプター
・ ラウンダーズ
・ シュラークバル

● クリケットを扱った作品

・ スペティグの魔球 Spedegue's Dropper:著者 アーサー・コナン・ドイル
・ 宇宙クリケット大戦争 Life, the Universe and Everything。同作品の出版元である講談社が筆頭になり、トムス・エンタテインメントとインドのアニメ会社と共同制作。
・ ラガーン - 2001年公開のインド映画。

「クリケット」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/
2024年4月19日19時(日本時間)現在での最新版を取得

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